※ 医療情報ではなく、一飼い主の体験記録です。愛犬の症状は必ず獣医師にご相談ください。
14年通った、最初の病院
マロンを迎えた時から、動物病院は家の近くの一軒に決めていました。毎年のフィラリア予防もワクチンも狂犬病予防も、6歳の前立腺炎、11歳の足のケガ、12歳のできもの手術も、全部そこ。長い付き合いで、不満を持ったことはありませんでした。
異変:毎日のくしゃみと、黄色い鼻水
13歳のある日、マロンが黄色い鼻水を出していることに気づきました。最初は「風邪かな?黄砂の影響?」くらいに思っていたのですが、毎日くしゃみを繰り返して、見るからに辛そう。これはやばいなと思い、いつもの病院に連れて行きました。
最初の診断:「アレルギーかも。エアコンのカビとか」
診察の結果は「アレルギーかもしれない。エアコンのカビとかも原因になる」とのこと。薬をもらい、エアコンも早急にクリーニングを頼みました。
引っ越したばかりでエアコンは綺麗なはず——と思っていたら、クリーニングしてもらうと黒いカビが出るわ出るわ。「これが原因だったのか」と納得しかけました。エアコンは綺麗になり、薬も飲ませて、これで治るはず。
でも、治りませんでした。
再診で感じた、決定的な違和感
改善しないので再度病院へ。すると今度はこう言われました。
「鼻の奥に何かあるかもしれない(あくまで仮説)」
「あまり抗生剤は出したくない。うちの方針として、自然治癒が一番」
それを聞いた瞬間、「え?」と思いました。マロンは毎日くしゃみをして苦しんでいる。その状況を見て、自然治癒?のんびり自然に治るのを待つなんて無理だろ——内心そう思い、この病院ではダメだと感じました。
方針として自然治癒を重んじる考え方自体は否定しません。ただ、目の前で苦しむマロンとその方針が、どうしても噛み合いませんでした。
「そういえば、他の病院あったっけ?」
ふと思い立って検索し、見つけた別の動物病院へ。ここが今のかかりつけです。
症状を説明すると、その場で具体的な可能性を複数挙げてくれました。
- 鼻の奥にできものがある可能性
- 歯周病が進行して、菌が鼻に入って鼻水が出ている可能性
歯?一見すると、マロンの歯は綺麗に手入れできているように見えていました。でも先生いわく、手入れが行き届きにくい奥歯や犬歯がやられていると。そういえば——歯磨きのとき、犬歯から少し出血していたのを思い出しました。
先生は「目視では歯が原因とは断定できない。開けてみてどんな状況か確認し、それが直接の原因かは分からないが、可能性としてあり得る」と、できることと分からないことを正直に説明してくれました。私は迷うことなくお願いしました。
手術の日:「生きて帰ってきて」
手術は一泊の予定で計画され、朝マロンを送り出しました。13歳での全身麻酔。「歯は何本抜くかな?」よりも先に、「そもそも生きて帰ってきて」と願っていました。
結果、麻酔からの覚めが良く「大丈夫そうだから」と、一泊の予定が日帰りに。まずはほっとしました。
結果:抜歯5本。原因は、あの犬歯だった
術後の先生の説明。抜歯は5本。奥歯が上下左右で4本、そして犬歯が1本。
まさか犬歯まで失うとは思っていませんでした。でも、抜かれた犬歯は——歯磨きで出血していた、あの犬歯でした。鼻に近いこの犬歯の歯周病が、菌が鼻に入った原因と思われるとのこと。バラバラだった点が、一本の線につながった瞬間でした。
無惨に抜かれた5本の歯と、手術中のマロンの画像も見せてもらいました。痛々しく、生々しい。でも、何が起きてどう処置されたのかを包み隠さず見せてくれるこの誠実さが、「この病院にして良かった」という確信になりました。
その夜のマロン
帰宅したマロンは、ベッドに横たわって元気がなく、朝から何も食べていませんでした。やっぱり痛かったよね。見ていて切なかった。この日の様子はTikTokの動画に残しています。
そして——完全復活
その後のマロンは、めちゃくちゃ元気になりました。そして、あれだけ毎日出ていた鼻水とくしゃみが、一切なくなりました。原因は歯だったんだと、結果が証明してくれました。
あのまま「自然治癒」を待っていたら、と考えるとぞっとします。
この経験から。病院を選ぶときに大事にしていること
- 可能性を具体的に、複数挙げてくれるか(「かもしれない」で止まらないか)
- 分からないことを「分からない」と言ってくれるか
- 処置の内容を、画像や実物で包み隠さず見せてくれるか
- 病院の方針と、我が家の子の状況が噛み合っているか
- ダックスやシニア犬の診察に慣れているか
セカンドオピニオンは、遠慮しなくていい
14年通った病院を変えるのは、正直少し勇気がいりました。でも大事なのは、「なんか違うかも」と感じたときにそのままにしないこと。長い付き合いより、近さより、目の前の我が家の子を治してくれる先生に出会えることの方がずっと大切だと、マロンの5本の歯が教えてくれました。